スタートアップ資金調達リサーチ【Week : 10/14-10/18】

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10月も中旬に入り、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。

この記事では、10月14日から10月18日の間にリリースされた、スタートアップの資金調達ニュースをまとめています。さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。

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分散型太陽光発電システムを開発するシェアリングエネルギー、20億円の資金調達を実施

事業内容: 再生可能エネルギー等による発電事業およびその管理・運営に関する業務

調達金額: 20億円

引受先: 第一生命保険、七十七銀行、みずほ銀行

今後の展望: サービスの拡大

シェアリングエネルギーは、初期費用無料で太陽光発電システムを設置できるプラン、「シェアでんき」事業を主に展開しているエネルギー系企業です。太陽光発電は個々の発電力が低いですが、多様なユーザーに太陽光発電システムを提供することによる問題解決を目指しています。シェアリングエネルギーは、これを「分散電源」と名付けています。

住宅向けのサービスである「シェアでんき」は、初期費用と月額費用が無料のうえ、15年の契約期間終了後は無償で譲渡が行われるサービスです。事業者向けの「シェアでんきfor Biz」というサービスもあり、店舗、工場、倉庫向けに、同じように初期費用無料でのサービスを提供しています。

ダイヤモンド半導体の商用化を目指す大熊ダイヤモンドデバイス、約40億円を調達

事業内容: ダイヤモンド半導体の研究開発

調達金額: 40億円

引受先: グロービス・キャピタル・パートナーズ、Coral Capital、グリーンコインベスト投資事業、エースタート、ゆうちょ Spiral Regional Innovation 1号投資事業、三井住友海上キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、FFGベンチャービジネスパートナーズ、ほくほくキャピタル、新生企業投資

今後の展望: ダイヤモンド半導体工場の建設

大熊ダイヤモンドデバイスは、ダイヤモンド半導体についての知見と実績を有する技術系の企業です。研究実績を活かした工場を今年建設開始予定で、2026年度の稼働を目指しています。現在、世界でダイヤモンド半導体の量産に成功している事業者はいないため、実現すれば世界初となります。

ダイヤモンド半導体は、ダイヤモンドの優れた熱伝導率、絶縁破壊、比誘電率、移動度といった特性を活かした半導体で、大きな電量を無駄なく使えるという特徴があります。既存の半導体よりも、高周波特性や大電力効率、放熱性等に大幅に優れ、次世代通信技術「6G」の通信基地局などへの応用が考えられています。

AI翻訳機を開発するポケトーク、3億円の資金調達を実施

事業内容: 翻訳機及び翻訳に関するソフトウェアの企画開発、製造、利用許諾、販売

調達金額: 3億円

引受先: 松竹

今後の展望: 多言語への対応

ポケトークは、AIを活用した翻訳を専門とする企業で、ハードウェアとソフトウェアの両方の開発に知見を有しています。今月販売を開始した最新機種「ポケトークS2」は、74言語を音声・テキストに翻訳でき、Wi-Fiのない場所でも使えるモバイル通信機能を内蔵するなど、利便性にも優れています。ウェブブラウザ上で機能する「ポケトーク ライブ通訳」というソフトウェアも開発しており、翻訳に関する多彩なソリューションを提供しています。

今回の資金調達における引受先は松竹株式会社です。以前からポケトークと松竹には関係があり、松竹と歌舞伎座の共同事業としてオープンした「GINZA KABUKIZA」に、ポケトークの製品が導入されているという経緯があります。今後松竹との協力を深め、舞伎鑑賞の多言語対応や訪日客を呼び込むため取り組みを推進する予定です。

web3事業を展開するDMM Crypto、資金調達を実施

事業内容: ブロックチェーンゲーム、NFTプロジェクトなどのweb3事業

調達金額: 非公開

引受先: Neoclassic Capital、Presto

今後の展望: ファイナンスサービスの拡充とグローバル展開

DMM Cryptoは、去年1月に設立された合同会社DMM.comのグループ会社です。ブロックチェーンゲームやNFTプロジェクトなど、Web3.0での事業を専門としており、2024年10月には、累計250万人がプレイした「かんぱに☆ガールズ」のブロックチェーンゲーム「かんぱに☆ガールズ RE:BLOOM」をリリースしています。

DMM Cryptoは、今後もブロックチェーンゲームを順次公開していく予定で、NFTトレーディングカードゲームの「神櫓-KAMIYAGURA-」やアクションRPGマルチプレイ体験が可能な「Arise」などを公開予定です。また、独自ブロックチェーン「DM2 Verse」や、独自トークン「Seamoon Protocol(SMP)」の公開も予定。将来的には、多くのクリエイターが参加するデジタル経済圏を確立することを目指しています。

まとめ

10月14日から10月18日の資金調達例をまとめました。

多彩な企業が資金調達に成功しており、科学技術関連では大熊ダイヤモンドデバイスが大きな資金調達に成功し、将来性も高いです。エネルギー関連では、技術だけでなく独自のサービス形態も注目されており、シェアリングエネルギーはその一例と言えます。

Web3.0関連でも資金調達例が今週も見られ、どのような形でブロックチェーン技術を活かすのか、その発想が問われています。

「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。

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