スタートアップ資金調達リサーチ【Week : 9/16-9/20】

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9月も中盤に入り、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。

この記事では、9月16日から9月20日の間にリリースされた資金調達ニュースをまとめています。さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。

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AI英会話のスピークバディ、18.5億円の資金調達を実施

事業内容: AI英会話「スピークバディ」の開発・運営、オンライン英語コーチング「スピークバディ パーソナルコーチング」の運営など

調達金額: 18.5億円

引受先: Golden Asia Fund、みずほキャピタル、未来創造キャピタル

今後の展望: 「スピークバディ」の海外展開

スピークバディは、英語教育に関するノウハウと、IT開発力を併せ持つスタートアップです。主力であるアプリ、「スピークバディ」は、AIとのリアルな英会話を特徴としており、会話内容を基にした詳細なフィードバックや、レベルに合わせて自動作成されるカリキュラムなどの機能を有しています。手軽さと高機能さから人気を集めており、App Storeの英会話アプリの2024年1月〜6月の平均売上ランキングにおいて、一位を記録しています。

また、一般向けのアプリ以外のサービスも充実しており、法人向けの「スピークバディ for Business」や、英語コーチングサービスの「スピークバディ パーソナルコーチング」などを提供しています。今後、アジア地域への進出を目指しており、日本語話者以外にも言語学習の機会を広げることを目指しています。

卸売・仕入ワンストップ取引のグッズgoooods、10.7億円の資金調達を実施

事業内容: B2B コマースの開発・運営

調達金額: 10.7億円

引受先: Z Venture Capital、南都キャピタルパートナーズ、X Tech Ventures

今後の展望: プロダクト開発、マーケティング、人材採用

goooodsは、B to Bのeコマースに特化したテック系スタートアップで、機械学習ベースの次世代B to Bコマースプラットフォーム、「goooods」を提供しています。仕入・卸売にまつわるすべてをワンストップで提供し、お店、ブランド、EC、クリエイターにとっての利便性と利益性を高めていくことを目標としています。

プラットフォーム「goooods」は、商品を手数料無料かつ、後払いOK、返品可能期間ありで取引できることを強みにしています。機械学習を活かした自動化機能も有しており、取引開始後は信頼できる新規の取引先が自動でレコメンドされるほか、受発注にかかわるバックオフィス業務を自動化することも可能です。

新たなアプローチにより脱炭素を目指すZevero、10億円の資金調達を実施

事業内容: 脱炭素用プラットフォームの開発、運営

調達金額: 10億円

引受先: Spiral Capital、East Ventures、その他個人投資家

今後の展望: 脱炭素化支援ソリューション開発を強化

Zeveroは、日本、シンガポール、ロンドンにオフィスを構える多国籍のチームからなるスタートアップであり、企業が温室効果ガスの排出量を算定・削減するためのプラットフォームを提供しています。プラットフォーム「zevero」は20以上の国の企業によって使用されており、ビジネス展開もグローバルです。

「zevero」の特徴は、温室効果ガス排出量の算定に費やす時間を減らしている点。算出はAIを活かして迅速に行われ、システム連携、API、CSVなどを用いデータを簡単にアップロードできます。また、データ、脱炭素、サスティナビリティのそれぞれの専門家からの支援を受けることができ、脱炭素化戦略の立案や、意思決定の補助などのサービスを受けることができます。

未活用素材の価値化を目指すエシカル・スピリッツ、3.8億円の資金調達を実施

事業内容: 酒類(スピリッツ)の企画・製造及び販売

調達金額: 3.8億円

引受先: サントリーホールディングス、Siiibo証券、三井住友銀行、日本政策金融公庫

今後の展望: 生産キャパシティを7倍に拡大、海外市場への展開

エシカル・スピリッツは、蒸留酒の製造を請け負うメーカーおよび販売者で、特に環境や社会問題の解決に貢献できる、「エシカル」な商品開発に重点を置いています。本来は製造の過程で廃棄されてしまう、酒粕やカカオの皮などの未活用素材を蒸留することでお酒を製造しており、自社のジンを「エシカルジン」と呼んでいます。

代表的な製品である「LAST」は、年間3,200トン相当が廃棄されると言われる酒粕を原料としたジンであり、2020年の創業から21トンの酒粕を再利用してきました。2030年度には、年間314トンの酒粕をジンとして蒸留することを目指しています。また、各研究所と協働し、世界初の 「木の酒」を製品化するプロジェクト、「WoodSpirits」を立ち上げ、2025年夏に製造開始を予定しています。こちらもエシカルな視点を重視しており、年間970万トン発生している林地未利用材の利用促進が目標です。

採用強化ソリューションを提供する株式会社Haul、5億円の資金調達を実施

事業内容: 次世代型の採用ソリューション「RekMA」の開発・運用、採用パートナー事業「RekPro」の提供

調達金額: 5億円

引受先: Archetype Ventures、ジェネシア・ベンチャーズ

今後の展望: 新規事業の立ち上げと採用・組織体制の強化

Haulは、「採用」に関するソリューションを多数展開するスタートアップです。採用のためのSaaS「RekMA」を基軸とし、採用パートナー事業の「RekPro」や技術スタックのデータベースサービス「what we use」を提供しています。

「RekMA」は、採用の成果創出を目指したSaaSで、大量の候補者の中から企業目線で見極めを行う旧来の採用活動から、候補者のパーソナルを把握したうえで最適な採用アプローチをかける、「アトラクト採用」への転換を可能にします。利用者は候補者から内定承諾・辞退理由をデータで回収でき、客観的なデータに基づいた改善や分析ができます。

まとめ

9月16日から9月20日の資金調達例をまとめました。

今週は幅広い業界で大きな資金調達例が見られました。プラットフォームとAIを掛け合わせた事業は毎週のように資金調達例が見られ、今回はgoooodsやZeveroなどの成功例が見られました。

それ以外では、エシカルな視点での事業も注目を集めており、エシカル・スピリッツは先進的な取り組みを行っています。

「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。

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