11月も中旬に入り、様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。
今週は、特にネットサービス関連事業での資金調達例が目立ちました。そこでこの記事では、11月11日から11月15日の間にリリースされた、ネットサービス関連事業でのスタートアップの資金調達ニュースをまとめています。さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。
家計簿プリカを提供するスマートバンク、40.8億円の資金調達を実施
事業内容: プリペイドカードおよび家計簿アプリの提供
調達金額: 40.8億円
引受先: SMBC-GBグロース1号、富国-GB、明治安田未来共創、MSIVC2023V、ゆうちょ Spiral Regional Innovation 1号、DBJキャピタル、株式会社セブン銀行、ALL STAR SAAS FUND Pte. Ltd.、GMO GFF、みずほ成長支援第5号
今後の展望: 人材獲得、マーケティング活動
スマートバンクは、プリペイドカードと家計簿アプリがセットになった支出管理サービス、「B/43」を提供しています。「B/43」は、発行したプリペイドカードにアプリから入金でき、支払いの記録を自動的に取る、カードとアプリが一体化したサービス。特に家計簿の自動作成機能に力を入れており、手間なく簡単に家計の見える化を実現することを意識したサービス展開をしています。
最近はプリペイドカード以外での支払い以外にも、クレジットカード・銀行口座連携機能やAIレシート読み取り機能などの実装が進んでおり、アプリの利便性が拡充されています。今後は、生成AIを活用した家計改善サービスの開発を行う予定で、家計の管理のみならず改善もできるようにしていく方針です。
シェフ向けのプラットフォームを提供するシェアダイン、18億円の資金調達を調達
事業内容: 出張料理マッチングプラットフォーム「シェアダイン」の運営・管理、飲食店向け即戦力シェフのマッチングプラットフォーム「スポットシェフ」の運営・管理
調達金額: 18億円
引受先: JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、DBJキャピタル、あおぞら企業投資
今後の展望: 開発の加速、営業・マーケティング部門や管理部門の強化
シェアダインは、飲食に関するネットサービスを多角的に提供しているスタートアップです。主力となるサービス、「シェアダイン」は、家庭向けの出張シェフサービスで、地域やカテゴリからシェフを探して、イベント向けのコース料理や、数日間食べられる作り置きなどのプランを選択できます。様々な専門性を持ち合わせた出張シェフが1万人超登録しており、提供しているサービスは多彩です。
シェアダインは家庭向けだけではなく、事業者向けのマッチングサービス「スポットシェフ」を提供しているほか、今年10月には、料理人専用のキャリアサポートSNS「CHEFLINK」をリリース。シェフが自由にキャリアを選択・形成できる場を提供するため、多角的にサービス展開を行っています。
英会話メタバースのfondi、4.2億円の資金調達を実施
事業内容: 留学、教育に関する支援事業
調達金額: 4.2億円
引受先: ANRI プリンシパル、Cyber Agent Capital、Canal Ventures
今後の展望: 採用強化、テクノロジーへの投資
fondiは、語学学習のためのメタバースアプリ、「fondi」を提供しているスタートアップです。2020年5月にアプリを提供して以降、「fondi」は東南アジア、中央アジア、北アフリカを中心に人気を伸ばし、現在までに累計で全世界200万ダウンロードを突破しています。
アプリ「fondi」の特徴は、スマートフォンから英語学習者が集まるメタバース空間にアクセスできる利便性です。メタバース空間内には、ミニゲームやテレビなど、会話を促進するコンテンツがあり、自然なコミュニケーションができます。またデータ面の機能にも優れており、日々の会話量が自動的に記録され、使った単語をチェックできるなどの機能があります。
福利厚生プラットフォームを提供するmiive、4.5億円の資金調達を実施
事業内容: 福利厚生プラットフォーム「miive(ミーブ)」の開発・運営
調達金額: 4.5億円
引受先: DNX Ventures、明治安田未来共創ファンド、kubell、セブン銀行
今後の展望: 人材採用、プロダクト拡充
miiveは、プリペイドカードタイプの福利厚生プラットフォーム、「miive」を提供しているプラットフォーマーです。「miive」は、企業が従業員に対して提供する福利厚生の制度を、柔軟に構築するサポートをするサービスです。2022年にサービスの提供を開始して以降人気を博しており、利用継続率は99%に達し、従業員の月次利用率は90%を超えています。
「miive」は、VISAカードと専用のアプリを活用した、プリペイドカード型のサービスです。従業員は、付与されたポイントをVISAカード加盟店で使えるほか、スマートフォンのアプリを活用した福利厚生の利用もでき、従来の福利厚生サービスよりも利便性の優れた利用が可能になります。また企業側にもメリットがあり、対象の従業員や利用できるメニュー・金額などを自由にカスタマイズして運用することができます。
まとめ
11月11日から11月15日のネットサービス関連事業の資金調達例をまとめました。
ネットサービス関連事業では、DX化による利便性の向上にニーズがあることがわかります。家計簿に対してアプローチするスマートバンクや、福利厚生プラットフォームであるmiiveは、ユーザーの利便性を高める仕組みで調達に成功しています。
これまで潜在的だったニーズに対してアプローチするような新しいアイデアが注目を集めており、シェフの手配ができるシェアダインなどは、その一例と言えます。
「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。
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