スタートアップ資金調達リサーチ【Week : 10/28-11/1】

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10月も終わり、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。

この記事では、10月28日から11月1日の間にリリースされたスタートアップの資金調達ニュースをまとめています。さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。

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サステナブルな地域交通の実現を目指すnewmo、約63億円の資金調達を実施

事業内容: タクシー・ライドシェア事業の運営

調達金額: 約63億円

引受先: ANRI、Axiom Asia Private Capital、B Dash Ventures、Bonds Investment Group、Coral Capital、DCM Ventures、DIMENSION、Eight Roads Ventures Japan、Globis Capital Partners、GMO VenturePartners、等

今後の展望: 全国へのエリア展開、タクシー事業者との提携・M&A、プロダクト開発、採用

newmoは、今年1月に設立されたスタートアップで、タクシーやライドシェア関連の事業を行っています。特に2024年4月の「日本型ライドシェア解禁」に伴って拡大を続けており、7月にはnewmoグループでタクシー車両600台以上を保有、従業員数は1,000人を超えています。すでにライドシェア事業を開始させており、7月には大阪にて日本版ライドシェアの運行を始めました。

今回の資金調達に伴って、newmoは名古屋に「newmo東海株式会社」、沖縄に「newmo沖縄株式会社」をそれぞれ新設しています。交通が多い各地域を拠点にして、ライドシェアの利用を広めていく姿勢です。

量子コンピュータベンチャーのQunaSys、総額17億円の資金調達を実施

事業内容: 量子コンピュータを用いたソフトウェア開発

調達金額: 17億円

引受先: スパークスアセットマネジメント、大阪大学ベンチャーキャピタル、京セラ/グローバルブレイン、KDDI/グローバルブレイン、JICベンチャーグロースインベストメンツ、日本ゼオン、富士通ベンチャーズ、三菱電機/グローバルブレイン

今後の展望: 技術開発や事業開発、基盤技術開発

QunaSysは、量子コンピューター関連の事業を手掛けるソフトウェアメーカーです。量子コンピューター向けのアルゴリズムやツールを幅広く開発しており、大阪大学の研究室や、富士通三菱電機といったメーカーとの共同研究の実績があり、また、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)に提案が採択されたこともあり、量子コンピュータの分野においては各方面から評価を集めています。

量子コンピュータの実用化への課題として、繊細な量子ビットによって計算を行うため、外部のノイズや熱、計算過程における小さな揺らぎにも影響を受けやすく、エラーが発生しやすいという問題があります。しかし、この問題を解決するための「誤り訂正量子計算」の技術も進展しています。誤り耐性量子コンピュータが実現に向かう中、QunaSysはこれを見据えた研究開発に今から取り組むためのツールとして「QURI SDK」をローンチするなど、実現に備えた開発を行っています。

NFTマーケティングを専門とするスシトップマーケティング、1.3 億円の資金調達を実施

事業内容: NFTマーケティング、コミュニケーションデザイン

調達金額: 1.3億円

引受先: セブン銀行

今後の展望: 技術開発、人材採用、マーケティング活動

スシトップマーケティングは、NFTを活用したマーケティングとコミュニケーションデザインを専門とするスタートアップです。様々な方式によるNFTの配布を行っており、マーケティングまで一貫したサポートを行っています。電通DNP京都府といった企業、自治体での配布を行っており、実績は豊富です。

主なサービスとして、「NFT Shot」や「SUSHI TOP マイアプリ」などがあります。「NFT Shot」は、NFT配布サービスで、画像をアップロードするだけでNFT配布用のリンクを生成できるサービスです。NFTの発行や受け取りが簡単に行える利便性が強みです。「SUSHI TOP マイアプリ」は、複数のウォレットを紐づけて、NFTを簡単に管理できるサービスです。このサービスに関しては、特許を出願中とのことです。

糖尿病予防のProvigate、20億円の資金調達を実施

事業内容: 家庭用血糖モニタリングデバイスおよびアプリの開発

調達金額: 20億円

引受先: アイングループ、SPARX、豊田合成、科学技術振興機構、シスメックス、次世代地域ヘルスケア産業活性化投資事業、ほか個人投資家

今後の展望: 機器の量産化開発および臨床研究の加速

Provigateは、東京大学発のスタートアップで、医学系と工学系の分野に専門的なノウハウを有しています。特に、糖尿病の発症、重症化予防に関する研究を進めており、微量の指先血や唾液検体を安定的に検査センターに郵送することで、グリコアルブミン(GA)を毎週測定する、世界初の低侵襲・非侵襲の方法を開発しています。GAは過去数日〜1週間程度の血糖変動を鋭敏に反映する物質であり、これを測定することで糖尿病の検査、予防ができます。

Provigateは糖尿病予防のためのアプリ開発も行っており、週次在宅GA測定とアプリの組み合わせによる、血糖モニタリングの実現を目指しています。日本での社会実装にとどまらず、世界標準化を目指しており、糖尿病のある方及び糖尿病予備群の方の生活の質向上と、健康管理の最適化に向けた取り組みをグローバルに推進しています。

まとめ

10月28日から11月1日の資金調達例をまとめました。

今週は多様な分野での資金調達例がありました。Newmoの大規模な調達例からは、ライドシェア解禁など、法整備によるビジネスシーンの変容が見て取れます。

量子コンピューターといった次世代の技術にも注目が集まっており、QunaSysは10億円を大きく超える調達に成功しました。

「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。

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