10月も終盤に入り、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。
この記事では、10月21日から10月25日の間にリリースされたスタートアップの資金調達ニュースをまとめています。さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。
生成AI技術を駆使した意思決定サービスを開発するストックマーク、45億円の資金調達を実施
事業内容: 自然言語処理を活用した、事業機会の探索と意思決定の支援を行うサービスの開発・運営
調達金額: 45億円
引受先: ポラリス・キャピタル・グループ
今後の展望: AI基盤の強化、M&A、採用、海外展開 等
ストックマークは、生成AI技術に専門性を有するスタートアップです。国内におけるLLM開発としての実績があり、日本語及びビジネス領域に強い純国産LLMの開発研究を進めており、2024年5月には国内最大級となる1,000億パラメータLLM「Stockmark-LLM-100b」を公開しました。
AI技術のビジネスサービスへの応用も進めており、「A news」と「SAT」の二つのプロダクトを主軸としています。「A news」はニュースや論文などの専門的な文書を自動的に推薦・検索・要約できるSaaSで、必要な情報を瞬時に発見できます。「SAT」は独自の生成AIを活かしたデータ構造化プロダクトで、図表を含む非構造データを整理してデータを作り、データを活用できるようにナレッジ化できます。
民間版の世界銀行を目指す五常・アンド・カンパニー、175億円の資金調達を実施
事業内容: マイクロファイナンスの実施
調達金額: 175億円
引受先: セットマネジメントOne、レオス・キャピタルワークス、三井住友トラスト・アセットマネジメント、International Cooperation and Development Fund、Hungchi Capital Co. Ltd.他金融機関多数
今後の展望: 財務基盤強化とデジタル化の推進、アジア・アフリカ地域において金融包摂に取り組む事業者への出資等
五常・アンド・カンパニーは、アジアを中心に12カ国で事業を展開するグループ金融カンパニーです。特に、低所得世帯や中小企業など、大規模でない顧客への持続可能な融資、マイクロファイナンスを展開し、途上国においてサービスを拡大しています。
先日10月4日には、アフリカ最大級のマイクロファイナンスグループであるBaobab Groupに出資し、アジアだけでなくアフリカにもサービスの幅を広げています。五常・アンド・カンパニーは世界中に金融包摂を届けることを目的としており、民間版の世界銀行を目指しています。
医療におけるデータ、AI活用を推進するTXP Medical、24.6億円の資金調達を実施
事業内容: 医療AI技術の開発と提供、医療データプラットフォームの構築
調達金額: 24.6億円
引受先: MPower Partners、NTTコミュニケーションズ、メディカル・データ・ビジョン、および複数金融機関
今後の展望: 既存事業の拡大、新規事業への投資、採用拡大及び組織強化
TXP Medicalは、医療とデータ・AI双方の知見を有するスタートアップで、「医療データで命を救う。」というミッションを掲げています。急性期医療のプラットフォーム構築から、医療データの利活用まで幅広くサービスを展開しており、病院内データシステムである「NEXT Stage ER/ICU 」は全国の大病院79箇所で稼働するなど、シェアを広げています。
TXP Medicalのサービスはきわめて多彩ですが、主力となるのはプラットフォームです。提供されているのは、ICU向けの「NEXT Stage ICU」やがん診療向けの「NEXT Stage Oncology」などの病院向けデータプラットフォーム、救急搬送向けの「NSER mobile」という自治体向けプラットフォーム、患者サポートサービスの「ありがとうサポート」という患者支援プラットフォームなど多数。ほか、製薬企業や医療機器メーカー向けの医療データ利活用サービスも展開しています。
美容医療プラットフォームを展開するトリビュー、約17億円の資金調達を実施
事業内容: 美容医療の⼝コミ・予約アプリ『トリビュー』の開発・運営
調達金額: 約17億円
引受先: Minerva Growth Partners、ニッセイ・キャピタル、三菱UFJキャピタル、HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND
今後の展望: 事業投資および採用活動の強化
トリビューは、美容外科・美容皮膚科・審美歯科といった「美容医療」を専門とするプラットフォーマーで、美容医療の⼝コミ・予約アプリ「トリビュー」を開発・運営しています。「トリビュー」はWeb版のほか、iOSやAndroid向けアプリケーションとして提供されており、累計150万ダウンロードを突破するなど、人気を博しています。
美容医療は成長性も高く規模が大きい市場ですが、自由診療であるが故のトラブルも多く、オンラインでの情報収集や、その取捨選択が難しい分野です。「トリビュー」はこれらの課題を踏まえ、体験者のリアルな口コミや、クリニックごとの専門性といった、検討に必要な情報を発信しています。利便性にも優れ、チャット予約や即時予約もアプリ内で完結可能です。
電動マイクロモビリティのシェアサービスを展開するLuup、30億円の資金調達を調達
事業内容: 電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP(ループ)」の提供
調達金額: 30億円
引受先: 三井住友銀行、みずほ銀行、あおぞら銀行、ほか金融機関多数
今後の展望: 電動マイクロモビリティの購入資金〇〇〇
Luupは、電動キックボードのシェアリングサービスを展開するスタートアップで、電動キックボードを各地で利用可能にすることで、短距離交通のインフラ構築を目指しています。シェアリングサービスを使用するためのアプリ、「LUUP」は2024年7月時点で300万ダウンロードを達成しており、利用の拡大に成功しています。
現在、LUUPのポート数は1万箇所を突破し、国内のシェアマイクロモビリティ業界において最多です。今後は警察や自治体などと連携して、交通ルールの啓発や安全対策にも注力していく方針です。
まとめ
10月21日から10月25日の資金調達例をまとめました。
今週は特に大規模な調達が多く、途上国に向けたマイクロファイナンスを各途上国に広げる五常・アンド・カンパニーは、極めて大規模な資金調達に成功しています。
ほか、プラットフォームやAIといった分野は、引き続き注目度が高い印象でした。
「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。
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