7月が終わり8月に入りました。さっそく様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。
この記事では、7月29日から8月2日の間にリリースされた、資金調達ニュースをまとめています。また、それぞれの事業内容、調達金額、今後の展望について解説いたします。
クラウド型住宅ローン業務支援システムを提供するiYell 18.6億円の資金調達を実施
事業内容: クラウド型住宅ローン業務支援システムの開発及び提供
調達金額: 18.6億円
引受先: 全国保証イノベーション投資事業有言責任組合、大東建託、エアトリ、アイディーエス等13社
今後の展望: データ送信クラウドシステムの開発への投資、プラットフォームマーケットへの浸透、サービスの開発
iYellは、ー住宅事業者向けクラウド型住宅ローン業務支援システムの「いえーる ダンドリ」を提供する、テックスタートアップです。「いえーる ダンドリ」は、住宅ローン業務を専門的な住宅金融機関に任せることができるサービス。従来は住宅事業者が、専門ではないローン業務も請け負っていましたが、このサービスは分業を可能にします。
「いえーる ダンドリ」は、現在では全国数百行の金融機関、数千社以上の住宅事業者が参画するプラットフォームであり、利用は拡大しています。iYellはこのサービスによって、「住宅ローン手続きによる業務の逼迫」や「ユーザーと金融機関の最適なマッチング」といった社会課題を解決し、エンドユーザーの希望を叶えられるようにしていく、としています。
おでかけエンタメアプリ「プラリー」をお提供するジオフラ、資金調達を実施
事業内容: フィジカル空間における人流を活性化させるプロダクトの企画・開発、地方創生に係る事業
調達金額: 非公開
引受先: 明治安田未来共創ファンド、ロイヤリティ マーケティング、SMBCベンチャーキャピタル、W fund、福岡地所
今後の展望: 開発のための体制強化、プロモーション促進
ジオフラは、おでかけエンタメアプリと称したポイントアプリ、「プラリー」を開発しているテック系企業です。「プラリー」は、移動することでポイントをためることができるアプリで、通勤や通学などの普段の移動や、特定のスポットへの移動でポイントを獲得できます。溜めたポイントは商品券や各種ポイント(dポイントや楽天ポイントなど)に交換することが可能です。
またポイント以外にも、「プラリー」にはオリジナルガチャの「プラポン」という機能があり、全国のスポットに行くことで景品を引くことができます。事業者向けの「プラリー for Business」もリリース予定で、こちらは特定の場所にポイントスポットやプラポンスポット、スタンプラリースポットを設置できるサービスです。
人工筋肉を応用した配管内ロボットを開発するソラリス、約4.3億円の資金調達を実施
事業内容: 空気圧人工筋肉を使ったソフトロボティクスの製品化・製造・販売
調達金額: 約4.3億円
引受先: 七十七キャピタル
今後の展望: ニーズへの対応、サービスモデルの構築
ソラリスは、中央大学の研究に基づく空気圧人工筋肉技術を有するロボットメーカーです。人工筋肉を応用したユニークなロボットを開発、提供しており、主力製品の管内走行ロボット「Sooha®」は、ミミズを模したものです。このロボットは従来困難だった小口径配管内の自立走行が可能で、カメラや検査装置、清掃装置を搭載して、配管の維持を可能にします。
他にも、ポンプロボットの「Zendo Drive®」を開発しており、こちらは腸内のぜん動運動の機能を再現したものです。こちらにも人口機能のコア技術が応用されていて、従来よりも高粘度・固液混相流体の混合・搬送を可能にしています。生物や生体の機能に学んだ柔らかいロボット、「ソフトロボット」の実用化を目指し、開発を続けています。
砂糖に代わる甘味料の社会実装を目指すオリゼ、4.7億円の資金調達を実施
事業内容: 食品の開発
調達金額: 4.7億円
引受先: MSIVC2023V、ナントCVC3号あけぼの、Wing2号成長支援、CA Startups Internet Fund 3号、epiST Ventures 1号、しんきん-やらまいか、とちぎ地域活性化2号、NCBベンチャー、GOLDEN EGG 1号、奥能登SDGs
今後の展望: ブランドの拡大、米国市場への進出
オリゼは、米麹由来の甘味料、「オリゼ甘味料」の技術を有するフードカンパニーです。「オリゼ甘味料」は発酵によって米麹から作られる砂糖を代替する甘味料で、350種類以上の栄養素が含まれています。健康に効果的であるほか、古米を原料として作ることもできるので、サステナブルな側面も持っています。
オリゼは、自社の甘味料を「フードコスメ」と呼び、おいしさと健康を両立しているものとして各種事業を展開しています。2020年からは発酵食品ブランド「フードコスメORYZAE」を展開するなど、技術を有するだけでなくその展開についても着手しています。
まとめ
7月29日から8月2日の資金調達例をまとめました。
クラウドサービスやポイントサービスなど、付加価値の高いサービスは引き続き資金調達に成功しています。iYellは業務の効率化や適切な分業化、ジオフラは需要の創出というアプローチを取っており、どちらもITサービスでは効果的な手法です。
一方で化学、工学分野でも、独自の技術を有した企業が注目を集めています。
「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。
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