スタートアップ資金調達リサーチ【Week : 7/22-7/26】

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7月も終盤に差し掛かりましたが、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。

この記事では、7月22日から7月26日の間にリリースされた、資金調達ニュースをまとめています。また、それぞれの事業内容、調達金額、今後の展望について解説いたします。

About

新時代の営業手法「インテントセールス」を実現するSales Marker、15.1億円の資金調達を実施

事業内容: インテントセールスSaaS「Sales Marker」の開発・運用

調達金額: 15.1億円

引受先: 非公開

今後の展望: 新規事業の立ち上げに向けた、エンジニア採用、サービス導入支援・カスタマーサポート体制の強化、新規サービスの立ち上げを含む事業開発

Sales Markerは、インテントセールスSaaSである「Sales Marker」を開発、運営するIT系企業です。インテントセールスとは、ユーザーの検索クエリや閲覧履歴など、何らかの意図(インテント)をもったWeb上の情報を収集し、何にどのくらい興味関心を持っているのかを推測したうえでセールスのアプローチをする手法です。

「Sales Marker」はインテントセールスを実現するために、510万社以上の法人データ、560万件の人物データ、160万件の部署データを含むデータベースを提供。ニーズに基づいて企業・部署・人物をターゲティングする機能や、ニーズに合わせた訴求内容の作成、アプローチの提案などの機能も有しており、興味に基づいた効率的なアプローチを多角的に支援します。

大企業人事部の業務改革を推進するパトスロゴス、5億円の資金調達を実施

事業内容: HR共創プラットフォームの開発、販売、保守

調達金額: 5億円

引受先: SMBCベンチャーキャピタル、りそなキャピタル、FFGベンチャービジネスパートナーズ、グロービス・キャピタル・パートナーズ、ジャフコ グループ

今後の展望: 製品開発体制及び販売体制の拡充

パトスロゴスは、HR 共創プラットフォーム 「PathosLogos」を開発、運営するプラットフォーマーです。「PathosLogos」は、各種のHRSaaSに分散しているデータを一元管理し、他サービスとシームレスに連携できるサービス。複数のSaaSのハブとして機能し、操作が難しい統合型のサービスに比べ、各企業にとって使いやすいSaaSを自由に選べるという利便性があります。

またパトスロゴスは、人事給与を計算、確認できるサービス、「Combosite」の開発、提供もしています。他にも他社のHR SaaSを組み合わせた統合人事システムの販売を行うなど、展開しているサービスは多角的。いずれのサービスも、使用しやすく、かつ一元管理が可能であることを目指しています。

全国のハイエンドな別荘を所有できるNOT A HOTEL、約55億円の資金調達を実施

事業内容: NOT A HOTEL(別荘)の企画・販売・運営

調達金額: 約55億円

引受先: 私募およびJ-KISS転換

今後の展望: 新規拠点開発

NOT A HOTELは、全国に別荘を所有しており、その所有権を一定期間の間販売するというビジネスを展開しています。別荘のユーザーのほとんどは、一年のうちの短い期間しか別荘を利用しないため、利用する期間の分だけ権利料を支払うことで、よりリーズナブルに別荘を利用できます。年間の利用日数は最低10日から360日まで選択でき、ライフスタイルに合わせた選択が可能です。別荘は不動産の資産として保有できるので、減価償却や売却、相続が可能である点も強みです。

また、利用日数を購入することで、全国の別荘はどこでも利用することができます。保有している別荘はハイエンドのクオリティであり、世界的な建築家やクリエイターが手がけるデザイン性と、IoT などのテクノロジーによる快適性を両立しているとしています。

最先端エネルギー関連技術を保有する京都フュージョニアリング、10.7億円の資金調達を実施

事業内容: フュージョンエネルギープラント関連装置・システムの研究開発

調達金額: 10.7億円

引受先: In-Q-Tel(インキュテル:IQT)、ニチコン、丸紅、他一社

今後の展望: 技術開発を加速

京都フュージョンエンジニアリングは、京都大学をはじめ、日本の核融合研究の成果に基づき設立されたエンジニアリング企業です。最先端の領域である核融合エネルギー業界の中でも、水素同位体移送ポンプやプラズマ加熱装置などの機器について、世界有数の技術力を保有しており、世界中の研究機関と取引を行っています。

原料の豊富さ、クリーンさ、安全性など、核融合発電は多くの優位性を持っており、本格的な実用化に向けて、国内外で具体的な取り組みが進んでいます。その中で京都フュージョンエンジニアリングは、カナダ原子力研究所(CNL)との新会社「Fusion Fuel Cycle Inc.」を設立したほか、京都リサーチセンターに新たな発電試験プラント「UNITY-1」を建設するなど、フュージョンエネルギー実現のための事業に取り組んでいます。

観葉植物と花のEC「アンドプランツ」を運営するDomuz、3億円の資金調達を実施

事業内容: ECサイト「アンドプランツ」、およびマーケットプレイス「ハナイチ」の運営

調達金額: 3億円

引受先: ギフティ、千葉道場ファンド、New Commerce Ventures、Value Chain Innovation Fund、ブルーインキュベーション、FFGベンチャービジネスパートナーズ、POLA ORBIS CAPITAL、アンカー・ジャパン

今後の展望: サービス改善、オンライン販売の拡大

Domuzは、観葉植物や花を専門とし、ECサイト「アンドプランツ」やBtoB向けマーケットプレイス「ハナイチ」を提供しています。「アンドプランツ」は、観葉植物や花の購入ができるだけではなく、パーソナル植物診断機能やAR機能を有しており、植物の購入意欲を増進させる仕組みが導入されています。また、SNSでの情報発信にも積極的で、総フォロワー数は17万人以上です。

また、昨年11月には、花卉産業向け卸マーケットプレイス「ハナイチ」のα版をリリースし、ノウハウを活かしつつ経営の多角化に着手しました。「ITとデザインでみどりのある暮らしをもっと身近に」というミッションを掲げており、テクノロジーとデザインによって、観葉植物や花がより身近に感じられるライフスタイルを提供しています。

まとめ

7月22日から7月26日の資金調達例をまとめました。

今週もさまざまな領域の企業が資金調達に成功しました。特に新しい発想で生み出された高い付加価値を持つサービスは人気で、新しい営業手法を実現できるSales Markerや、効率的に別荘を利用できるNOT A HOTELなどが多くの資金を集めています。

ITとの連携による新しい需要を狙う企業が多い中、工学分野でも、京都フュージョンエンジニアリングは、最先端のエネルギー業界において大きなポテンシャルを見せています。

「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。

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