6月も終わり、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。
そこでこの記事では、6月24日から6月28日の間にリリースされた資金調達ニュースのうち、エンターテイメント業界のものをまとめています。また、それぞれの事業内容、調達金額、今後の展望について解説いたします。
モバイルオンラインゲームとブロックチェーン事業を展開するgumi、約30億円の資金調達を実施
事業内容: モバイルオンラインゲーム事業、ブロックチェーン等事業
調達金額: 約30億円
引受先 : SUPER STATE HOLDINGS
今後の展望: SPSTグループとの共創関係を構築
gumiは、モバイルオンラインゲーム事業及びブロックチェーン等事業の2つの事業を軸に事業を展開しているエンターテイメント・テック企業です。
モバイルゲーム事業では、「誰ガ為のアルケミスト」などのタイトルが人気を博しています。またブロックチェーン事業では、暗号資産「OSHI」と、それを基軸とした推し活プラットフォームプロジェクトである「OSHI3」を運営しています。
今回出資したSUPER STATE HOLDINGSは、多種多様なエンタメ企業の集合体であり、アイドルグループ「すとぷり」などを擁する株式会社STPRを基軸に、様々な分野の企業により構成されています。gumiは、そのIPやマーケティングノウハウを活用して、さらなる新規サービスやタイトルを開発する方針です。
マンガAI翻訳のMantra、7.8億円の資金調達を実施
事業内容 : マンガに特化した機械翻訳技術の研究開発
調達金額 : 7.8億円
引受先 : 集英社、小学館、KADOKAWA、スクウェア・エニックス・ホールディングス、M Power Partners
今後の展望: AI翻訳の精度向上、翻訳技術転用を本格化
Mantraは、マンガに特化したクラウド翻訳ツール、「Mantra Engine」を開発、販売している企業です。画像認識と機械翻訳を組み合わせることで、ストーリーの背景にある複雑な文脈や、キャラクターの口調の一貫性を考慮した、高度な翻訳を可能にしています。
現在、国内外の事業者に利用され、月間のべ10万ページのマンガ/コミックの翻訳を行っています。
「Mantra Engine」はマンガ/コミックに特化した翻訳ソフトですが、Mantraは小説、ゲーム、動画等、あらゆるエンターテイメントへの翻訳技術転用を目指しています。ゲーム業界のリーディングカンパニーであるスクエア・エニックスとの協働によって、ゲーム事業への進出を視野に入れています。現在対応言語数も増え続けており、活用の幅は広がっていく見込みです。
2.5次元IPプロデュース・マネジメントを展開する株式会社Blackbox、8,000万円の資金調達を実施
事業内容: Vtuberプロダクション、メディアミックス、音楽ライブ事業
調達金額: 8,000万円
引受先: ANOBAKA、ニッセイ・キャピタル
今後の展望: 2.5次元IPプロデュース・マネジメント、盤石な運営体制の構築、ライブ開催、楽曲制作
Blackboxは、Vtuberグループ、プロダクションの「ラブボックス」を運営する、エンターテイメント企業です。
「ラブボックス」は2.5次元アイドルVTuberグループを標榜しており、バーチャルとリアル両面での活動を展開しています。YouTubeをはじめとするSNS活動を「バーチャル」の、ライブ活動などを「リアル」の活動と位置づけ、多角的にエンターテイメントを提供しています。
「2.5次元アイドル」という肩書きは、通常の活動はVtuberの姿で活動し、リアルイベントでは顔出しで活動するという方針を表しています。ライブの映像や画像などは非公開、撮影禁止となっているため、イベントに特別感があることが特徴だということです。
まとめ
6月24日から6月28日の、エンターテイメント関連企業の資金調達例をまとめました。
ブロックチェーンやAIなど先端技術の応用が、エンターテイメント業界にも進んでおり、また大きな規模の資金調達にも成功しています。また2.5次元アイドルなど、IPに関する新たなアイデアも注目を集めています。
「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。
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