スタートアップ資金調達リサーチ【Week : 6/10-6/14】

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6月も中旬に入り、暑さが増してきました。引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。

この記事では、6月10日から6月14日の間にリリースされた資金調達ニュースをまとめています。また、それぞれの事業内容、調達金額、今後の展望について解説いたします。

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脱炭素・ESGのマルチプロダクトを展開するアスエネ、101億円の資金調達

事業内容: CO2見える化やESG評価を提供するサービスを展開

調達金額: 101億円

引受先: 三井住友銀行、SBIインベストメント、スパークス・アセット・マネジメントが運営する未来創生3号ファンド、他17社

今後の展望: 人材採用、マーケティング、技術投資、新規事業

アスエネは「No.1 のClimate Tech企業」を目指すテック企業であり、脱炭素やサステナビリティに関連するITプロダクトを展開しています。クラウドサービスの「ASUENE」は、CO2の排出量を見える化、削減、報告を可能とし、脱炭素経営を実現します。ESG評価クラウド「ASUENE ESG」も運営しており、企業のESG経営を支援しています。

ESG経営とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)を考慮した経営を指します。以下、内閣府からのESGの解説へのリンクを付記します。

https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/tyosa/r02kokusai/h2_02_01.html

事業拡大に伴い、メンバー数が250名に増加するなど、成長を続けています。また、シンガポールやアメリカに支社を設置し、海外展開の動きも加速させています。

空間の価値を最大化するmatsuri technologies、13.4億円の資金調達を完了

事業内容: 不動産関連ソフトウェア/サービスの提供

調達金額: 13.4億円

引受先: Vertex Ventures SEA Fund V Pte. Ltd.、日本郵政キャピタル、三菱商事、ZFP第1号投資事業有限責任組合、BRICKS FUND TOKYO及び他2社

今後の展望: ソフトウェアの強化、施設数の増加、採用の強化

matsuri technologiesは、IT領域と不動産領域の知見を持ち合わせるテック企業で、宿泊と居住に関するサービスを展開しています。ポストコロナのインバウンド需要を受けて規模を拡大しており、ソフトウェア面でのサービスをさらに強化しています。

主力サービスであるStayXは、「未来の不動産プラットフォーム」と銘打たれたオンラインサービスです。運営 / ブランド事業、集客プラットフォーム事業、無人管理ソフトウェア事業の三つの領域で構成されています。集客から予約、清掃管理や運用分析までを1サービス上で完結でき、無人での施設運営を可能にします。

移動の課題に取り組むソーシャルデザインカンパニーNearMe、約4.9億円の資金調達を実施

事業内容: リアルタイム位置情報のインターネットサービス

調達金額: 約4.9億円

引受先: JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツ、DBJキャピタル、J.フロント リテイリング、JFR MIRAI CREATORS Fund

今後の展望: マーケティング、新サービスの開発、課題理解や仕組み化への投資

NearMeは、AI等の技術を活用する、モビリティ関連の企業です。経路検索、ルーティングの最適化技術を独自に有しており、これを活かした多彩なサービスを展開しています。

主力サービスの「NearMe Airport」は、最大9人乗りのエアポートシャトルで、空港と自宅やホテルなどの指定場所をむすぶ送迎サービスです。「シェア乗り」によって低価格を実現しており、2019年8月のサービス開始からこれまで延べ70万以上の人に利用されているとのことです。他、ゴルフシャトルや法人向け通勤シャトル、タウンシャトルなどのサービスを提供しています。

MUSE、5.7億円の資金調達を実施 ストアロボット「Armo」がベルク店舗にて6月より稼働開始

事業内容: 小売店舗向けロボットの開発及び販売

調達金額: 5.7億円

引受先: インキュベイトファンド、XTech Ventures、農林中金イノベーション投資事業有限責任組合(運営者:グローバル・ブレイン)、Spiral Capital、東芝テック、キャナルベンチャーズ、三菱HCキャピタル、みずほキャピタル、山口キャピタル

今後の展望: ストアロボット「Armo(アルモ)」のサービス展開を加速

MUSEは、小売店向けロボット「Armo」の開発、運営を手がけており、「店舗に最適化された、スタッフと協働するロボット」をコンセプトに開発を行っています。ロボットはAIテクノロジーを搭載しており、商品の搬送やデータ管理といった、高負荷、煩雑な業務を行います。顧客案内のような業務も可能です。

「Armo」導入に当たって、MUSEは店舗ごとの要望をヒアリングしており、挙動や外観を含めたカスタマイズを実施しています。省人化や人件費削減のような効率化だけではなく、ロボットに求められる+αを追求して、様々な付加価値を与えられる商品開発を目指しているとのことです。

インテリア・家具の3Dソリューションサービスを提供する株式会社S-CANVAS、資金調達を実施

事業内容: 3D技術を利用したインテリアコーディネートサービス「S-CANVAS」の提供

調達金額: 非公開

引受先: ANOBAKA

今後の展望: ユーザー体験の最適化

S-CANVASはAI技術および3D空間技術を有しており、それを活かしたインテリア選定に関する支援サービスを提供しています。主要サービスである「S-CANVAS」は、部屋にインテリアを設置した場合のシミュレーションをVR/AR空間上で行うことができるサービスです。

「S-CANVAS」はインテリアのプロの知見をふまえて開発されており、様々な種類の部屋や店舗、オフィススペースに向けたシミュレーションが可能です。コーディネートの提案を受けることもでき、インテリア選定のプロセスの納得感を向上させます。今後は市場の拡大を目指しています。

精神科医療 x ITを推進するアトラスト・ヘルス、資金調達を実施

事業内容: オンライン診療プラットフォームの運営

調達金額: 非公開

引受先: ジャフコグループ、博報堂DYベンチャーズ、農林中金キャピタル、LITALICO、メンタルヘルステクノロジーズ

今後の展望: 採用および組織体制の強化、テクノロジーへの投資、マーケティング&セールス

アトラスト・ヘルスは、精神科、心療内科に特化した、ITによる診療サポートを推進するヘルステック企業です。オンライン診療プラットフォーム開発の「WeMeet」を開発、運営しているほか、クリニックのDXを支援するサービスを展開しています。

「WeMeet」では、予約から受診、決済、お薬、書類の受け取りまで全てオンラインで完結でき、自宅から診療を受けることができます。アトラスト・ヘルスは精神科・心療内科の受診ハードルの高さを課題として掲げており、ITの活用を始め、精神医療に対しての周知活動によって、これを解決することを目標としています。

まとめ

6月10日から6月14日の資金調達例をまとめました。

今週は、IT技術による課題解決に大きな注目が集まりました。脱炭素・サステナビリティとITを組み合わせたアスエネは、大きな規模の資金調達を実現しています。インテリアや精神医療といった、これまでITとは関連がなかった分野でも活用が進んでいます。

AI技術の応用も進んでおり、モビリティやロボットといった分野でも活用例が増えています。

「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。

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