4月が終わり5月に入りましたが、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。
この記事では、5月8日から5月10日の間にリリースされた資金調達ニュースをまとめています。また、それぞれの事業内容、調達金額、今後の展望について解説いたします。
クレジットカード業界のイノベーションを目指すナッジ、30億円の資金調達を実施
事業内容: クレジットカード「Nudge(ナッジ)」の開発、運営
調達金額: 30億円、累計調達金額は50億円
引受先: KDDI Open Innovation Fund、伊藤忠商事、住商ベンチャー・パートナーズ、三菱商事、三菱UFJイノベーション・パートナーズ、博報堂DYベンチャーズ、ベルシステム24ホールディングス、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、NOBUNAGAキャピタルビレッジ
今後の展望: 開発体制の強化、提携クラブとの連携強化、人的交流の促進
ナッジは、スマートフォンネイティブ世代をターゲットとした、次世代のクレジットカード「Nudge」を開発、運営しています。ユーザーの7割がZ世代であり、特に若年層から多くの支持を集めることに成功しています。
「Nudge」の特徴は、18歳以上であれば高校生でも申し込みできるなど、若い層にとって利用しやすいことが挙げられます。また、日常の買い物でアーティストやスポーツチームを応援したり、社会貢献ができる仕組みの「クラブ」機能があり、NFTを手軽に保有できるなど、新しい形のキャッシュレス生活に適応した機能を有しています。
配信コミュニティプラットフォーム運営のOPENREC、約24億円の資金調達を実施
事業内容: ライブ配信事業
調達金額: 約24億円
引受先: Aqua Clara Lemon Gas Pegasus Tech Ventures、Pegasus Tech Ventures、GENDA Capital、アコード・ベンチャーズ、日本グロースキャピタル投資法人、株式会社ベクトル
今後の展望: 体制強化、オリジナル番組の製作、IP化の企画強化
OPENRECは、ライブ配信プラットフォームのOPENREC.tvを運営しています。日本発のライブ配信サービスとしては最大規模で、OPENREC.tvでしか見られない独占コンテンツなどを充実させており、独自性を高める施策を取っています。
また、プラットフォームの運営だけでなく、イベントの開催やオリジナルアパレルブランドの発表など、ファンコミュニティとの繋がりを重視したビジネスを展開しています。オリジナルIPの創出など、ライブ配信にとどまらす多角的なサービスを提供しています。
解体工事DXプラットフォームを運営するクラッソーネ、約12.2億の資金調達を実施
事業内容: 解体工事DXプラットフォーム「クラッソーネ」の運営
調達金額: 12.2億円、累計調達金額は27.7億円
引受先: 環境エネルギー投資、大和ハウスグループグロースファンド、JPインベストメント、アニマルスピリッツ
今後の展望: マーケティング及び営業、DXによる品質向上や業務効率化による生産性改善
クラッソーネは、同社の名前を冠した解体工事DXプラットフォームの「クラッソーネ」を運営しています。「クラッソーネ」は、解体工事領域で全国2,000社以上の専門工事会社と施主をマッチングするサービスであり、見積内容の相談から工事完了までをWeb上で完結できるサービスです。
現在日本では、建物の老朽化や空き家の増加といった問題が発生しており、また、解体工事をするうえでの法的なハードルも大きいという問題があります。クラッソーネは、解体工事において発生するやり取りをDX化することで、「持続可能なまちづくり」を実現することを目指す、としています。
日本円ステーブルコインのJPYC|YTFUNDを引受先とするJ-KISS型新株予約権による資金調達を実施
事業内容: ERC20前払式⽀払⼿段の発⾏、NFT等ブロックチェーン全般に関するコンサルティング
調達金額: 非公開
引受先: Yield Technology投資事業有限責任組合
今後の展望: 自己資本の増強と内部体制の強化、サービスの企画・開発・運営
JPYCは、日本円と価格を連動させた暗号通貨、「JPYC」の開発、及び運営を行っています。「JPYC」は1JPYC=1円で取引されており、価値が直感的に理解しやすい通貨です。2024年5月までに27億円を超えるJPYCを発行しており、日本円ステーブルコインの国内流通量としては99%以上のシェアを占めるといいます。
「JPYC」の強みは、資金決済法に準拠しており、法的にクリアであるという点です。現在は電子決済手段等取引業のライセンス取得を目指しており、さらなる安全性、信頼性の獲得を目指しています。
不動産投資スコアリングサービス「StockFormer」を展開するZIRITZ、1.3億円の資金調達を実施
事業内容: ICTサービス事業、プラットフォームの運営
調達金額: 1.3億円
引受先: ニッセイ・キャピタル、およびデット調達
今後の展望: 人員増強、広告宣伝、システム強化
ZIRITZは、投資用不動産専用のプラットフォーム「StockFormer」を運営しています。「StockFormer」では、個人データを分析したうえで最適な投資物件の提案を受けることができ、効率的に商談を進めることができます。また、匿名性が高いことも特徴で、ユーザと不動産業者が相互にプライバシーを守ったうえでコミュニケーションができます。
また現在は、「StockFormaer」で得たノウハウを活かし、自社で建設業免許を取得した上で、新築アパートプロデュースサービス「StockFormer-ZERO」のサービス開発に着手しています。
まとめ
5月8日から5月10日の資金調達例をまとめました。
不動産のスコアリングや解体工事など、特定の用途に絞ったプラットフォーム業が注目を集めています。また、既存のサービスであるクレジットカードに「応援」機能を追加するといった、付加価値を高めるサービスも資金調達に成功しています。
暗号資産の発行、運営といった、Web3時代の新しいサービスも成長しつつあります。
「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。
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