3月も後半に入りましたが、引き続き様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。
この記事では、3月の第3週、18日から22日の資金調達ニュースをまとめています。また、それぞれの事業内容、調達金額、今後の展望について解説いたします。
若年層に広がる「たまり場SNS」パラレル、12億円の資金調達
事業内容: 友達と交流できるソーシャルスペース「パラレル」の開発と運営
調達金額: 12億円。累計調達額は約29億円
引受先: ジャフコグループ、KDDI Open Innovation Fund 3号、三菱UFJキャピタル、NTTドコモ・ベンチャーズ他4社
今後の展望: 人材獲得や機能開発、エンタメ事業者との連携
パラレル株式会社は、2017年に設立された、比較的新しいSNS開発運営会社です。従来のSNSではインターネット上の見知らぬ人の投稿を見ることが多かった一方で、同社のSNS「パラレル」では、実際の友人とコミュニケーションを取り、一緒の時間を過ごすことを重視しています。
アプリでは、ゲーム、動画、音楽などのコンテンツを、友人たちと一緒に楽しむことができます。登録者数は400万人を突破、Z世代比率は70%で海外比率も25%あり、若い世代や海外から支持を集めています。
動画内情報に「触れる」ことによるアクセスを実現するパロニム、4.5億円の資金調達
事業内容: インタラクティブ動画技術「Tig」の開発運営
調達金額: 4.5億円、累計調達金額は14億円
引受先: Globa Hands-On VC及びソーバル
今後の展望: マーケティング、人材採用、開発
パロニム株式会社は、手で映像に触れるだけで情報にアクセスできるインタラクティブ情報技術、「Tig」の開発、運営を手がけています。「Tig」を導入した動画では、画面上から対象物をタップするだけで情報をストックでき、さらにストックした情報をタップすると詳細ページへと遷移できるため、直感的に情報収集ができます。
すでに主要な技術に関しては特許を取得、または出願中であり、重なり合う物体への奥行きメタ管理や、タッチした情報のサーバ集計などの技術を保有しています。今後はAIやプラットフォームを完成させ、全体構成を完成させることを目指しています。
新たな就活サービスにより不採用通知の在り方を変革するABABA、3.7億円の資金調達
事業内容: 新卒対象スカウト型サービス「ABABA」の開発運営
調達金額: 3.7億円、累計調達金額は約5.7億円
引受先: 三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、オリエンタル・イノベーションズ、いよぎんキャピタル
今後の展望: マーケティング、開発
株式会社ABABAは、「お祈りエールを日本の文化に。」というスローガンを掲げ、最終面接まで進んだ就活生のみが登録できる就職活動サービス「ABABA」を運営しています。
就職活動においては、選考の過程が評価されることは少なく、最終選考に落ちてしまうと、就活生のこれまでの努力が無駄になってしまうという問題点があります。これに対し「ABABA」では、最終選考まで進んだ学生に登録者を絞ることで、選考フローをカットした効率的なスカウトを受けることができます。
企業にとっても、最終選考まで進んだ優秀な人材をスカウトすることで、採用にかかるコストや時間をカットできる仕組みになっています。
未上場企業を含めた企業分析SaaSを運営するバフェットコード、資金調達を完了
事業内容: 企業分析ツール『バフェットコード』の開発・提供
調達金額: 不明
引受先: 複数人の個人投資家
今後の展望: サービスの拡販に向けた営業体制の強化、機能開発
バフェットコード株式会社は、企業調査・分析のためのサービス「バフェットコード」の開発、運営を手がけています。サービスでは、株主や企業、M&A情報など、多数の情報にアクセスすることができます。
「バフェットコード」は、従来アクセスが困難だったスタートアップや未上場企業の情報も潤沢であるという強みがあります。バフェットコード株式会社は、サービスを利用することで分析の効率が格段に上がり、かかる時間を95%削減できるとしています。
教育特化型外部人材マッチングサービスを提供するLX DESIGN、資金調達を完了
事業内容: 教育特化型外部人材マッチングサービス『複業先生®』の提供
調達金額: 不明
引受先: グローバル・ブレイン、グロービス、MTG Ventures、複数の個人投資家
今後の展望: システム開発・採用等
株式会社LX DESIGNは、人材マッチングサービスの「複業先生®」を通じて、「社会に開かれた教育課程」を目指しサービスを提供、運営しています。
「複業先生®」は、教員以外の人材が登録できるサービスです。教員のみでは対応が難しいキャリア教育、起業教育・金融教育などに対応する人材と、教育現場をつなげます。サービスを通じ、教育現場の疲弊や学びの多様化といった課題を解決していくことを目的としています。
まとめ
3月第3週も様々な資金調達事例が発表されました。
特にIT系の新規サービスは非常に活発です。「最終面接まで進んだ就活生」や、「教員以外の教育人材」などの、特定の層にターゲットを絞った新たなソリューションが注目を集めています。
新しいSNSの開発など、大きな規模で注目されるサービスもあり、投資は旺盛です。
「Plus startup」では、今後もスタートアップの資金調達例を紹介していきます。
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