スタートアップ資金調達リサーチ【Week : 3/2-3/8】

URLをコピーしました！

3月が始まり、様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しました。この記事では、3月の第一週、4日から8日の資金調達ニュースをまとめています。また、それぞれの事業内容、調達金額、今後の展望について解説いたします。

About

レアメタルリサイクル実現を目指すエマルションフローテクノロジーズ、13.5億円の資金調達

事業内容: 溶媒抽出技術「エマルションフロー」を活かし、原子力機構におけるレアメタルサイクルを低コスト化、低負荷化する

調達金額: 13.5億円

引受先:Value Chain Innovation Fund、三菱UFJキャピタル、本田技研など

今後の展望: 商業プラントの開発加速及びグローバル展開の強化

エマルションフローテクノロジーズは、2021年に設立された原子力機構発のスタートアップです。社名にもなっている「エマルションフロー」は、限られた資源であるレアメタルを低コストかつ低環境負荷で高純度に回収する技術。この技術を活かし、レアメタルの供給不足や汚染物質の排出といった深刻な問題に対する解決策を提示しています。

行動認識AIを開発するアジラ、追加で7.6億円の資金調達

事業内容: AI警備システムの開発

調達金額: 7.6億円(累計調達金額は17億円)

引受先: 東急

今後の展望: 既存の市場への販売網を強化、「行動認識AI」を転用した製品展開をリリース

アジラは、行動認識技術の研究開発を強みとするテクノロジー系の企業です。既存のカメラの映像から、異常行動や危険行動を察知し通知を送る警備システム、「asilla」を提供しています。警備員の業務を効率化することで、安全を追求するとともに業務効率や労働環境を向上することをミッションにしています。

3Dプリント技術で義足を作るインスタリム、9億円の資金調達

事業内容: 3Dプリント義足の製造販売、設計のライセンス販売

調達金額: 9億円

引受先: JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、三菱UFJキャピタル、アイティーファーム、第一生命保険など

今後の展望:海外展開をさらに強化し、3年以内に10ヵ国以上を目標に展開

インスタリムは3Dプリンタ技術を活かし、安価な義足を製造するスタートアップです。義足は通常、一人ひとりの体に合わせて手作りで製造するため、コストや時間がかかるという問題がありました。この問題を解決するため、インスタリムは世界で初めて3Dプリント義足を実用化しました。価格や納期を1/10以下にでき、フィリピンやインドで2,800本以上の製造・販売実績があります。

医療とITを組み合わせるHOKUTO、9億円の資金調達

事業内容: 医師向け臨床支援アプリの開発運営

調達金額: 9億円

引受先: グローバル・ブレイン、ジェネシア・ベンチャーズ、GMO VenturePartners、グリーベンチャーズ、HERO Impact Capital、90s 他個人投資家等

今後の展望: プロダクトの強化、医師会員の更なる獲得、人材の採用

HOKUTOは、医療従事者向けの臨床支援アプリ「HOKUTO」の開発・運営を手がける、医療×ITのスタートアップ企業です。エビデンスのある医療情報への素早いアクセスを可能にし、臨床現場での意思決定をサポートしています。医師会員数は、リリース後約4年で10万人以上となっており、医療現場で働く医師から好評の声が上がっています。

学校給食の課題を解決するPECOFREE、1.7億円の資金調達

事業内容: 学⽣向けフードデリバリーアプリの開発運営

調達金額: 1.7億円

引受先: 三井住友海上キャピタル、三菱UFJキャピタル、 NES、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、フューチャーベンチャーキャピタル、大分VCサクセスファンド

今後の展望: システム開発やマーケティング、人材採用

PECOFREEは学校給食の課題を解決するために、学校と給食会社をITでつなげることを目的としたスタートアップです。同社が提供するアプリ「PECOFREE」では、栄養士が監修したお弁当を、スマートフォンで簡単に予約できます。2021年のリリース以降全国500件以上の学校・学童・企業で導入されるなど、利用の幅が広がっています。